介護型有料老人ホーム入居と小規模宅地の特例の活用について

2019年4月26日

裁決要旨

請求人は、特別養護老人ホームの入所者には、租税特別措置法第69条の4《小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例》に規定する本件特例の適用が認められるのであるから、介護型有料老人ホームに入所した場合に、終身利用権の取得のみを理由として、本件特例の適用が認められないと解するのは、法令の解釈を誤るものである旨主張する。

しかしながら、本件特例にいう「居住の用に供されていた宅地」とは、原則として、相続の開始の直前において、被相続人等が現実に居住していた家屋の敷地の用に供されていた宅地をいうと解すべきであるところ、被相続人等が、相続の開始の直前において当該家屋に現実に居住していなかった場合には、
当該家屋に居住していなかった理由及び期間、その間の生活場所及び生活状況並びに当該家屋の維持管理の状況等の客観的な事情を総合的に勘案して、社会通念上、被相続人等が当該家屋に居住していなかった状況が一時的なものであり、生活の拠点はなお当該家屋に置かれていたといえる場合に限り、当該家屋の敷地の用に供されていた宅地は、「居住の用に供されていた宅地」に該当すると解するのが相当である。

これを本件についてみると、本件被相続人夫婦は、終身の介護を受けることを前提に介護型の本件有料老人ホームに入園し、実際にも、入園から本件被相続人の死亡までの間、継続して本件有料老人ホームで生活をしていたといわざるを得ず、本件有料老人ホームへの入園は、病気療養のための一時的な入院や、短期間の施設利用後に帰宅が予定されているショートステイとは明らかに事情が異なっており、本件被相続人夫婦が本件家屋に居住していない状況が一時的なもので、生活の拠点がなお本件家屋に置かれていたとは認められない。

したがって、本件宅地は、本件被相続人夫婦の「居住の用に供されていた宅地」には該当しない。

(平22.6.11東裁(諸)平21-175)

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