店舗用地と広大地判定

2019年6月12日

準幹線道路沿いの大型店舗用地(3,220㎡)が、広大地として認められた事例です(図表3-17)。評価対象地には平屋建の店舗(1,467㎡)が建っています。北隣には中学校が存し、南隣には14階分譲マンションが建っていましたが、周囲を調査した結果、広大地が可能と判断しました。

❖物件の概要

面積:3,220㎡

地形:ほぼ長方形

接道:二方道路(角地)

用途地域:準工業地域(60%、200%)

周辺の利用状況:マンション・共同住宅・事業所・店舗・中小規模一般住宅等が混在する地域

土地の利用状況:大型店舗

❖考察

評価対象地の周囲における過去14年間の開発事例は下記の通りです。
また、南隣接の14階分譲マンションも昭和57年の建築です。

開発事例(戸建住宅):2件(平成12年、15年)
開発事例(ミニ開発):2件(平成10年、17年)
開発事例(共同住宅):0件
開発事例(店舗):0件

上記の内容を踏まえ、その地域はマンション・店舗から戸建住宅へと移行しつつあると判断しました。
つまり、評価対象地は「明らかにマンション用地に適していると認められる土地」には該当しないと思われます。

また、その地域の開発事例や公示地等の面積から、標準的な宅地の面積を60㎡程度と判断しました。

そこで、60㎡の面積を基準に最有効使用の土地利用計画図を作成したところ、開発道路等の公共公益的施設用地の負担が生じることがわかりました。

これらの情報を基に広大地判定の意見書を提出したところ、広大地として認められました。

広大地として認められたポイントはここにある!!

①その地域がマンションから戸建住宅に移行しつつあることを説明できたこと。

②その地域の標準的な宅地の面積を60㎡と確定できる資料を確保したこと。

20181023別図

関連ページ:地積規模の大きな宅地の評価(https://erea-office.com/appraisal/new_koudaichi/