判例からみた相続税法上の時価について

2019年4月18日

相続に関する不動産鑑定や相続コンサルをしていて、相続税法上の時価とは何か、とふと考えることがあります。

相続税法上の時価について記載された判例を掲載します。

相続税法上の時価(※東京高裁裁判所 平成18年3月28日判決より)

その財産の現況に応じ,不特定多数の当事者間において自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額,すなわち当該財産の客観的交換価値をいうものと解される。

① 相続税法22条にいう「時価」とは、当該財産の取得において、その財産の現況に応じ、不特定多数の当事者間において自由な取引が行われる場合に通常成立すると認められる価額、すなわち、当該財産の客観的交換価値をいうものと解される。

② すべての財産の客観的交換価値は必ずしも一義的に確定されるものではないから、これを個別に評価する方法をとった場合には、その評価方法等により異なる評価額が生じたり、課税庁の事務負担が重くなり、課税事務の迅速な処理が困難となるおそれもある。そこで、課税事務上は、法に特別な定めのあるものを除き、財産評価の一般的基準が財産評価基本通達(本件通達)によって定められ、原則としてこれに定められた画一的な評価方法によって、当該財産の評価をすることとされている。

そして、このようにあらかじめ定められた評価方法により、「画一的に財産の評価を行うことは、税負担の公平、効率的な租税行政の実現という観点からみて合理的であり、これを形式的にすべての納税者に適用して財産の評価を行うことは、一般的には、納税負担の実質的な公平をも実現し、租税平等主義にかなうものである。

③本件通達に定められた評価方法を画一的に適用することによって、明らかに当該財産の客観的交換価値とは乖離した結果を導くこととなり、そのため、実質的な租税負担の公平を著しく害し、法の趣旨および本件通達の趣旨に反することとなるなど、本件通達に定める評価方式によらないことが正当として是認されるような特別な事情がある場合には、他の合理的な評価方式によることが許されると解すべきであり、本件通達6においても、この通達の定めによって評価することが著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価する。と定められている。

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