社宅と広大地評価判定
3階建事務所ビルと4階建社宅寮が建つ1,242㎡の敷地が、広大地として認められた事例です(図表3-9)。本件は事業承継の一環としての依頼でした。評価対象地には建物が2棟建っていましたが、周囲を調査した結果、広大地が可能と判断しました。
❖物件の概要
面積:1,242㎡(北側間口:約 54m、東側間口:約 33m、南側間口:約15m)
地形:L字型
接道:三方道路
用途地域:準工業地域(60%、200%)
周辺の利用状況:中小規模一般住宅・共同住宅・駐車場・事業所・店舗等が混在する地域
土地の利用状況:3階建事務所ビル、4階建社宅寮
❖考察
評価対象地の周囲を調査したところ、平成10年から平成24年までに建築された建物は、以下の4件でした。
開発事例(戸建住宅):2件
ミニ開発事例:2件(位置指定道路のある戸建住宅の事例)マンション事例:0件
上記から、その地域はマンションから戸建住宅へと移行しつつあると判断しました。つまり、評価対象地は「明らかにマンション用地に適していると認められる土地」には該当しないと思われます。
また、その地域の標準的な宅地の面積を60㎡程度と判断しました。そこで、60㎡の面積を基準に最有効使用の土地利用計画図を作成したところ、開発道路等の公共公益的施設用地の負担が生じることがわかりました。
これらの情報を基に広大地判定の意見書を提出したところ、広大地として認められました。
広大地として認められたポイントはここにある!①マンションから戸建住宅の敷地に、地域が移行しつつあることを説明できたこと。 ②その地域の標準的な宅地の面積を60㎡と確定できる資料を確保したこと。 |
関連ページ:地積規模の大きな宅地の評価(https://erea-office.com/appraisal/new_koudaichi/)