小規模宅地等の特例と遺産分割の期限
3年以内に遺産分割と小規模宅地等の適用の可否についての裁決事例がありましたので掲載します。
3年以内に遺産分割と小規模宅地等の適用の可否についての裁決事例
裁決要旨(平19年5月15日裁決・公開)
請求人は、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けようとする遺産が未分割であることについて、
①被相続人が税理士として関与していた法人と原処分庁との間の訴訟が係属中であること、
②請求人は自らが当事者となった訴訟事案等を数多く抱えて多忙であったこと、
③定期預金等の遺産の一部については分割を了するなど、請求人は分割協議の完了に向けて努力をしていること、
④共同相続人の1人が通院加療中であり、同人に対して配慮する必要があったこととの事情があり、
これらの事情は相続税の申告期限の翌日から3年以内に遺産の分割できなかったことについてのやむを得ない事情に該当する旨主張する。
しかしながら、請求人主張の事情は、いずれも租税特別措置法第69条の4第4項に規定する「政令で定めるやむを得ない事情がある場合」には該当しないことから、請求人からなされた承認申請を却下した原処分は適法である。(平19.5.15高裁(諸)平18-21)
関連ページ:相続税法上の時価鑑定(https://erea-office.com/appraisal/fair_valuation/)