固定資産の交換の特例
固定資産の交換の特例は、譲渡所得の課税に対する特例です。
固定資産である土地・借地権・耕作権は建物を固定資産の交換の特例の要件を満たせば、譲渡所得は課税されません。
1:特例の要件
本人側
- 1年以上所有していること(交換のために所有したものでないこと)
- 固定資産であること
- 同一種類の資産であること
- 譲渡直前の用途と同一用途に供すること
- 交換時における時価の差額がいずれかの高い方の価額の20%以下であること
固定資産か否かについて争いになった裁
決・判例がありますので掲載します。
《裁決・判決》
①昭54.11.7/裁決事例集No.19-40頁
交換により請求人が取得した土地は,交換の相手方である地方公共団体が公共施設の建設用地に充てることを予定していたもので,他に売却することを目的とすることなく所有していた固定資産であり,かつ,請求人は当該取得土地を譲渡資産の直前の用途に供していることから,当該取得土地が棚卸資産に該当するとして,所得税法第58条第1項の交換の特例の適用がないとした原処分の認定は失当である。
②昭54.11.28/大津地裁/税務訴訟資料109号546頁
原告が交換により取得した土地及び建物の一部は,不動産売買を業とする会社が販売目的で造成した土地とその土地の上に建築したマンションであり,棚卸資産として保有していたものであるから,右交換譲渡については所得税法58条の適用はない。
土地建物等の交換・買い換えの税務(税務研究会出版局)より引用しました。