定期借地権について考える

2019年4月26日

一般定期借地権国土交通省のHPの定期借地権の項目を見ていますと、旧法借地制度の問題点として

土地が返還されない問題

キャピタルゲインが借地人に移転する問題

③地価上昇に見合う地代収入が得られない問題

があったと記載されていますが、借地権法制度を改めて、平成3年10月に現行の借地借家法が公布され、翌年平成4年8月に施行され、ここに定期借地権が創設された、とあります。

具体的には、定期借地権には次の3つの特約を認めました。

契約の更新がない

建替による借地期間の延長がない

建物買取請求権がない

これらの事項がスムーズに運べば何も問題はないのですが、たとえば一般定期借地権(法22条)において分譲マンションを建てたとしましょう。定期借地権の存続期間を50年としたとしますと、契約後50年後、契約終了時の建物は原則として借地人は建物を取り壊して土地を返還することになります。人生において50年というのは、織田信長の時代で人生50年、現在は人生80年です。マンションの住人がこの50年の間に入れ替わりますよね。

ある有名な税理士の先生の書物には、具体例として「(一般)定期借地権の具体例として分譲マンション等」があげられています。「定期借地権等ということになれば、貸した土地はいずれは地主の元に戻ってきます」とあります。

一般定期借地権付分譲マンションに地主が土地をお貸しして50年後、土地が地主に返還されるでしょうか。法律ではそのようになっていますが、数多くの入居人をかかえる分譲マンションの場合、各個人ごとに人生における事情は異なり、同じ歩調はとりづらいと考えるのが一般的と思います。

地主さんが、先祖からの土地をお貸しになる場合は、それ相応の覚悟をしておく必要があります。50年という月日は長いですよ。
家族も代が数代変わっている場合もあります。

公正証書をまくにしても、専門家の意見を聞いて慎重に事を運ぶことをお勧めします。

※定期借地権の種類
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