広大地の評価が相当とした事例

2019年6月12日

本件土地は、開発行為を行う場合開発道路が必要な土地であると認められるので、評価通達24-4の定めを適用し広大地の評価をするのが相当であるとした事例

(関裁(諸)平16第10号 平成16年9月28日裁決)

広大地に該当するとした事例の画像

本件土地の概要

本件宅地は駅の北東約2.5kmに位置し、幅員8mの公道に接面する間口約21.8m奥行約27.2mの整形な土地である。本件相続開始日現在、被相続人■■■の居宅敷地として利用されていた。本件宅地の周辺は、主に1画地が100㎡程度の戸建て住宅を中心とした住宅地域である。

審判所の判断

本件宅地について、評価通達24-4の定めを適用して評価すべきか否か等について争いがあるので、以下審理する。

(1) 評価通達24-4の適用について

①相続税の課税財産の価額は、相続税法第22条《評価の原則》により、当該財産の取得の時における時価によることとされており、当該時価を評価通達の定めに従い評価することは、納税者間の租税負担の公平等の見地から合理的であると解されていることから、評価通達の定めに従い本件宅地を評価することは、当審判所においても相当であると認められる。

②評価通達24-4の定めは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく広大な土地の開発行為を行う場合、道路や公園等の公共公益的施設用地としてかなりの潰れ地が生ずることが考えられることから、財産評価上、これを考慮する必要があるという趣旨のものと解される。

また、都市計画法第29条及び同法施行令第19条《法第29条第1項第1号の政令で定める規模》は、開発行為を行うに当たって開発許可を必要とする面積基準を定めているが、これは秩序ある街づくりを目的とした整備のため、開発地区に道路等の公共公益的施設が必要となる場合が多いことから、基準以上の規模の開発行為を規制の対象とするという趣旨のものと解される。

そうすると、開発許可を必要とする面積基準以上の土地を評価するに当たり評価通達24-4の定めを適用することは、当審判所においても相当であると認められる。

③なお、評価通達24-4に定める広大地の評価の趣旨が上記のとおりであることからすれば、評価すべき土地の地積が広大であっても、周囲の状況等からみて明らかにマンション用地として適している土地や、道路に面して間口が広く奥行が短い土地のように、標準的な宅地を前提とした開発行為を行う場合において、明らかに公共公益的施設用地としての潰れ地が生じないと認められる土地について評価通達24-4の定めを適用して評価することは、かえって合理性を欠くものといわざるを得ない。

④これを本件についてみると、本件宅地は開発行為を行う場合には開発許可を必要とする土地であり、また、本件宅地は上記で述べた明らかに潰れ地が生じない土地には該当しない。

また、当審判所において請求人らの主張する別図2の(1)の開発行為の方法について検討したところ、当該開発行為の方法は相当であると認められる。

⑤したがって、本件宅地は、別図の2の(1)の開発行為の方法に基づき、評価通達24-4の定めを適用して評価することが相当である。

(2) 本件宅地の評価額について

評価通達24-4の定めを適用して本件宅地を評価すると、財産評価額は請求人らの主張する別表2の「⑤」欄の金額と同額となり、これに租税特別措置法第69条の4の規定を適用した後の課税価格に算入すべき金額は、同表の「⑥」欄の金額と同額となる。

以上

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コメント

広大地に該当するか否かの判定の要件は、『その地域における標準的な宅地に比して著しく地積が広大』であることと、『都市計画法に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるもの』の2つです。

この場合の標準的な地積とはどのようなものかについては、財産評価基本通達では明確にされていないし、本件においても何に基づいて標準的な地積を決めたか分かりづらいですが、本件では『本件宅地の周辺は、主に1画地の地積が100㎡程度の戸建て住宅を中心とした住宅地域である』と述べています。

よって『本件についてみると、本件宅地は開発行為を行う場合には開発許可を必要とする土地でありました。本件宅地は上記で述べた明らかに潰れ地が生じない土地には該当しない。また、当審判所において請求人らの主張する別図2の(1)の開発行為の方法について検討したところ、当該開発行為の方法は相当であると認められる。したがって、本件宅地は、…評価通達24-4の定めを適用して評価することが相当である』と判断しました。

広大地か否かの決め手は、その地域の標準的な宅地の地積を的確に把握し、その地積に応じて開発図面を作成した場合に開発道路が必要か否かということだと思います。
それもその物件が存する市町村の開発許可審査基準を当然にクリアーしていることは言うまでもありません。それらを勘案した結果、公共公益的施設用地が生じないのであれば、広大地として評価されるだろうと思います。

 

 

関連ページ:地積規模の大きな宅地の評価(https://erea-office.com/appraisal/new_koudaichi/