相続時の節税対策としてタワーマンションの購入は得策か!!
都心部のタワーマンションの価格が高騰しています。
新築時よりも価格が高くなり、逆転現象が起きています。
先日も東京都港区のタワーマンションを評価してまいりましたが、
大阪では考えられない高値(約2億数千万円)が時価でした。
このマンションの相続税評価額は、時価の30%程度になります。
今、国税庁周辺ではこのようなことが起こっていることに対して対策を
たてるべきだという意見が出ているようです。
今から20数年前のバブルの頃に地価の急激な高騰による、
借入金による土地の取得が相続税の負担の軽減を図る目的であるとして、
路線価方式によらず、取得価額で評価すべきとした事例(東京地裁H4.3.11判決等)があります。
①本件マンションの評価通達による評価…1億3174万3190円
②取得価額…7億5850万円
③②と①との差額…6億2679万2681円
この当時は6億2679万2681円だけ課税価格が圧縮されることになるのはおかしいということで争いになり、結局路線価によらず取得価額で評価されました。
本件においてはタワーマンションについては、タワーマンションの取引事例の価格を時価に反映させなければ、適正な時価はでてきません。
今行われている相続税法上のマンションの評価では、土地は路線価、建物は固定資産税評価額を加算して出しますが、現在のタワーマンションの場合にはいかにタワーマンションの取引事例を採用するかです。
今当局はその検討に入っていると聞いています。
タワーマンションによる節税対策は注意が必要かと思います。