賃料増額請求時の賃料の額によっては借地契約解除!!

2019年4月25日

借地契約解除になる場合

賃料増額請求があった場合に、借地人はいくらの賃料を支払ったらいいか迷いますが、現行賃料より低い賃料を支払うと問題が大きくなり場合によっては借地契約解除になりますよという判例がありますので掲載します。

 

賃料増額請求があった場合において協議が整わない場合、借地人は増額裁判が確定するまでは、借地法12条2項に基づき「相当ト認ムル」地代を払えば足りるが、「相当ト認ムル」地代とは必ずしも客観的な適正賃料額ではなく、借地人が主観的に相当と認めるものであればよいと解されるが、少なくとも従前の賃料額より低廉なものであってならないことはいうまでもないし、借地人が固定資産税その他当該賃借土地に係る公租公課の額を知りながら、これを下回る額(固定資産税等の5分の1以下)を支払い又は供託しているような場合には、その額は著しく不相当であって、これをもって債務の本旨に従った履行ということはできない。

したがって、かような低廉な賃料の支払が4年半以上も続いているような場合は、賃貸借契約上の信頼関係を著しく破壊するものであることは明らかであるから、無催告で契約を解除することができる。

(東京高判平6・3・28(判時1505・65))
(「借地借家紛争解決の手引」より引用しました。新日本法規出版)

 

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