固定資産の交換の特例の要件

2019年4月11日

固定資産の交換について固定資産の交換の特例を活用するには一定の要件を満たす必要がありますが、所有期間は1年以上必要です。
所有期間が1年未満のため固定資産の交換の特例を否認された事例がありますので掲載します。

注意して交換手続き実務を行っていると思いますが要注意です。

昭55.5.27/東京高裁/税務訴訟資料113号459頁

本件山林は,前主甲から乙,乙から丙会社に売り渡された後,丙会社から納税者に交換譲渡されたものであり,甲から納税者にした所有権移転登記は中間省略の方法によったものにすぎず,丙会社が本件山林を保有していた期間は1年未満である。

所得税法は,実質課税を原則とし,客観的な事実に基づいて課税をするのが建前であって、納税者の主観的判断によって課税権の存否を決することはできないから,交換の相手が目的資産を1年以上保有していたものと誤信していたからといって,交換の一方当事者についてのみ右特例措置を適用することは、租税の公平負担の原則上,許されないというべきである。

土地建物等の交換・買換えの税務(税務研究会出版局刊)より引用しました。