使用貸借と借地権、又は賃貸借について
使用貸借の取り扱いについて述べられている裁決事例がありますので、下記に掲載します。
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(平成15年11月4日裁決・東京)
しかしながら、この使用貸借の取り扱いは、個人間の貸借関係において採用することとしており、当事者の一方が法人である場合には、法人が営利追求を目的として設立されるものでその活動がすべて合理的な経済人としての立場から行われるべきものとの考え方から、この取り扱いは、原則として、適用されない。このことは、所得税の調査において適正賃料の指導を受け、修正申告していることからも明らかである。
(ハ)これを本件でみると、上記のとおり、ゴルフ練習場については、昭和61年から■■■■に月額30万円で貸し付けられており、テニスクラブについては、昭和56年から■■■■に月額20万円で貸し付けられている。そうすると、いずれも賃借人は■■■■という法人であることから、上記のとおり、その賃料の多寡を判断するまでもなく使用貸借とはならないから、ゴルフ練習場等用地は、いずれも賃貸借が存する土地であると解するのが相当である。
したがって、使用貸借とする原処分庁の主張は採用できない。
※法人がからむ場合は要注意です。
関連ページ:相続税法上の時価鑑定(https://erea-office.com/appraisal/fair_valuation/)