使用の対価としての相当の地代

2019年4月26日

電卓土地を貸し、借りるときの法人税におけるルールはこみいっているので、明確にしておく必要があります。法人税基本通達の一部を掲載します。

土地の更地価額

1 法人税基本通達13-1-2(注)1の土地の更地価額は、原則として、借地権の設定時における時価(通常の取引価額)をいうが、課税上弊害のない場合には、同1-1-2による相当の地代を計算する場合に限り納税者が次のうちから任意に選択することができる。

通常の取引価額としての時価

その土地の公示価格(標準価格を含む)又は近傍類地の公示価格等から合理的に算定した価額

更地としての相続税評価額

借地権設定の年以前3年間における③の価額の平均額

 

2 借地権の設定時に選択した上記①から④までの区分は、相当の地代での借地契約の期間を通じ変更することは許されないものと考えられる。

つまり、相当の地代による借地権の課税関係は、その基礎となる土地の価額区分(上記①~④の区分)を全期間を通じ一定にすることにより、設定後の課税関係を律するものであることからすると当然のことと思料される

 

3 本項の相当の地代額(更地価額の6%相当額)の計算は、借地権の設定時だけでなく、その設定後、地代を引き下げるとき(法基通13-1-3)、借地権の移転(譲渡・贈与等)又は借地を返還するとき(法基通13-1-15)の借地権の時価(市場価額)を算定する場合における相当の地代額の計算にも適用される。

この場合の更地の価額は、納税者がその設定時に上記1によって選択したものについての、借地権の時価を算定する時における価額である(上記1④の平均額は、借地権の時価を算定する年以前3年間の平均額)

(借地権の評価と課税の実務 TKC出版)

これらのことは、不動産鑑定士も、実務上大切なことと思います。