借地非訟事件の活用!

2019年4月26日

たとえば、借地についての契約内容の変更や借地権の譲渡などの場面で、土地の所有者借地権者との話し合いがつかない場合に、裁判所が借地条件を変更したり、土地賃借権の譲渡を許可したりする制度を、借地非訟事件といいます。

大阪地方裁判所第10民事部(建築・調停部)が担当しています。

①借地非訟事件には下記のものがあります。

1.借地条件の変更
2.増改築の許可
3.借地契約更新後の建物再築許可
4.土地賃借権の譲渡または転貸の許可
5.建物競売等の場合における土地賃借権の譲渡または転貸の許可
6.建物および土地賃借権譲受の許可

当事者間の利益の衡平を図るために必要があるときは、裁判所は、許可の裁判をする際に、承諾料の支払や賃料などの付随事項についても、同時に決めることがあります。

②手続きの流れ
借地非訟事件の手続きの流れは、だいたい次のようになります。

1.申し立てを受けた裁判所は、審問期日を開いて、当事者双方から言い分を
聴きます。審問期日は審問室という部屋で行われ、手続きは公開されません。
2.必要があるときは、裁判所は、鑑定委員会に意見を求めます。
3.鑑定意見書が提出されると、裁判所は、鑑定意見書に対する当事者双方の
言い分を聴いたうえで、裁判をします。

手続きの途中で和解が成立する場合もあります。

③鑑定委員会による鑑定意見

裁判にあたっては、更地価格や借地権価格、賃料などを評価するために、専門的な知識が必要となりますし、一般良識が反映されたものにすることも大切です。そこで、裁判所は、不動産の専門家(不動産鑑定士)、法律の専門家(弁護士)及び一般良識者の3人の鑑定委員によって構成される鑑定委員会に意見を求めることがあります。鑑定意見書の作成費用は、国の負担になります。

※借地非訟事件は、借地権について揉める前に検討するのも一つの方法です。裁判の費用はリーズナブルと思います。