借地権・底地の評価と留意点

2019年4月26日

借地権・底地借地借家法は原則としてその施行後に締結される借地・借家関係に限って適用されます。

又、既存の借地・借家関係が法施行後に更新された場合でも更新後の借地・借家関係には旧借地法が適用されます

ところで、親族間などでの土地の貸借については注意が必要です。

『第三者間での土地貸借の場合は、一般的に地代の授受が行われていると考えられ、普通借地権が設定されている土地と判断できます。

しかし、親族間などでの土地貸借の場合には、権利金の支払いの有無、地代の授受に関する事実関係などを慎重に確認し、借地権の有無について慎重に判定しなければなりません。

なお、借地権の有無については、国税庁が昭和48年11月に公表した「使用貸借通達」の適用の検討も欠かせません。

使用貸借通達は以下について、その取り扱いを定めています。

①使用貸借による土地の借受けがあった場合

②使用貸借による借地権の転借があった場合

③使用貸借に係る土地等を相続又は贈与により取得した場合

④使用貸借に係る土地等の上に存する建物等を相続又は贈与により取得した場合

⑤借地権の目的となっている土地を当該借地権者以外の者が取得し、地代の授受が行われないこととなった場合

⑥経過的措置:土地の無償借り受け時に、借地権相当額の課税が行われている場合

⑦経過的措置:借地権の目的となっている土地を、この通達の施行前に当該借地権者以外の者が取得している場合』

 

又、親族等において土地の賃貸借が行われた場合の土地の権利関係の届出書の確認が必要です。

 

『親族等特殊関係者間において土地貸借が行われた場合、借地権等の課税関係を回避するために各種届出書が所轄税務署に提出されていることがあります。

このようなことが想定される場合は評価額にも影響を与えますので、以下の届出書の提出の有無について確認しておく必要があります。

①土地の無償返還に関する届出書

②相当の地代の改定方法に関する届出書

③借地権者の地位に変更がない旨の申出書

④借地権の使用貸借に関する確認書』

(『相続税の申告と書面添付』TKC出版より準用)