売れない高すぎる新築マンション、価格は下がるか!!

2019年7月11日

ビル街国税庁の「平成27年度民間給与実態調査結果」によれば、

東京国税局管内の納税者の平均給与が約532万円に対して、平成27年の新築マンションの販売価格が年収の10.4倍、

大阪国税局管内の納税者の平均給与が約466万円に対して平成27年の新築マンションの販売価格が年収の8.1倍になっている、

という実態調査報告です。

そのような中、上記内容を裏付けするかのように、高すぎる新築マンションは、サラリーマンが手を出せない価格になっているというオンライン記事がありましたので掲載します。

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yahoo ニュースURL:http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170306-00161288-toyo-bus_all

売れない高すぎマンション、価格は下がる?

東洋経済オンライン 3/6(月) 6:00配信

 銀座に程近い、聖路加国際病院周辺の一等地に建設予定の「プラウド銀座東」(全32戸)。販売価格は7500万円台~2億円超と、野村不動産が展開するプラウドシリーズの中でも最高水準の物件だ。

【グラフ】首都圏のマンション発売戸数は3年前と比べて4割も減っている

世田谷・杉並区など東京郊外の物件を積極的に手掛けてきた野村にとって、銀座エリアへの進出は今回が初めて。同じ地区内で、すでに別の用地も確保している。

■サラリーマンが手を出せない価格に

「郊外も都心も、数年前と比べるとマンションの売れ行きは厳しい。ソッカン(即日完売)はほぼ聞かなくなった」(デベロッパー幹部)。販売が好調なのは、都心5区の駅徒歩10分以内の物件など。郊外ではターミナル駅直結といった特殊な条件を備えていなければ、購入希望者になかなか訴求できない。野村が銀座エリアに進出したのも、需要がまだ見込める一等地だったためだ。

マンション市場の様相が変わり始めたのは2016年に入ったころから。それまでは、相続税対策や投資目的の需要も重なり、首都圏では飛ぶように売れる物件が続出した。野村の「プラウドタワー立川」や東京建物の「ブリリアタワーズ目黒」は代表例だ。

金融機関の融資姿勢もマンション市場の過熱を助長した。各社が住宅ローン金利の引き下げに走り、購入希望者の金利負担は減ったが、それ以上に価格が高騰。ついに一般サラリーマンには手が届かなくなった。

価格はどれだけ上昇した?

 不動産経済研究所によると、2016年に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)で販売されたマンションの平均価格は5490万円。5年間で1000万円近く上昇した。都内23区の1坪(約3.3平方メートル)当たり単価は、2014年の288万円から2016年は332万円と、2年間で15%上昇した。

 ここまで値上がりしてきたのは地価と建築費の両方が上昇しているからだ。この数年、都心の用地仕入れは困難を極めている。再開発やホテルの建設ラッシュも相まって、マンションに適した用地は小間切れに出てくるだけ。都心で“駅近”の土地が入札に出れば、4~5社が参加して、価格は瞬く間にハネ上がる。最近は「用地仕入れでは入札には参加せず、相対で交渉できる案件に限定している」と割り切る大手デベロッパーもいる。

■ゼネコンは相見積もりを拒否

かつては、土地を高値づかみしてもゼネコンと交渉して建築費を抑えれば、販売価格の上昇を抑制できた。だが、今は工事を希望の期日までに終えてもらうには、高い建築費を支払わざるをえない。東京五輪に向けて案件が次から次に舞い込む建設業界では職人不足が深刻で、ゼネコン側が採算のいい工事を慎重に選んでいるためだ。

ある中堅ゼネコンの幹部は、「マンションは特定のお客様からの案件しか受注しない。複数の業者に相見積もりをさせて契約金額を下げるような物件は遠慮させていただいている」と断言する。

新築物件の売れ行きが鈍る中、供給戸数は減少。2016年の首都圏のマンション発売戸数は3万5772戸と、平成バブル崩壊直後の1992年以来の低水準を記録した(不動産経済研究所調べ)。

その裏で、デベロッパーが抱えるマンションの在庫は年々増加。大手4社の2016年度(12月末時点)の在庫は2158戸と3年前に比べ3倍弱にまで膨れ上がった。

デベロッパーの次の一手は?

 八方ふさがりともいえる状況で大手が注目し始めたのが、既存物件を新築のように改修するリノベーションだ。

 都営大江戸線・六本木駅から徒歩4分、国立新美術館の目の前に、東急不動産が販売中の「マジェスタワー六本木」(全83戸)がそびえ立っている。築11年のこの物件は、もともと賃貸マンションだったものを、REIT(不動産投資信託)から一棟丸ごと購入。内装を分譲仕様に改修した。

販売価格は8500万円台~3億円弱と超高級仕様。外観はやや築年数を感じさせるものの、立地条件は抜群だ。

こうした土地を今、更地で手に入れることは難しい。リノベーションの場合は、工事をゼネコンに頼まずとも、リフォーム会社に発注できるため費用を抑えることができるほか、工期も短くて済む。東急は今後も港区を中心に、築10~15年ほどの賃貸物件を対象としたリノベーション事業を推進していく計画だ。

■リノベ物件の取り合いも

同様に、最近では三菱地所レジデンスの「ザ・パークリモア 白金台三丁目」や、NTT都市開発の「イクシクス麻布十番」など、フルリノベーション物件が増えてきている。

ただ、分譲への改修に適した都心の賃貸マンションは、数に限りがあるのも事実。今度はリノベーション物件の取り合いになる可能性が高い。

リーマンショックでミニバブルが崩壊した時期は、中小事業者が在庫の投げ売りに走ったが、そうした業者の多くは淘汰された。大手は今のところ大々的な値引きを我慢しており、市況はニーズから乖離した状況がしばらく続きそうだ。

真城 愛弓

 

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