農地の物件調査

2019年7月9日

農地の物件調査

農地の物件調査について留意すべき事項は下記の通りです。

(イ)農地とは、「工作の目的に供される土地」(農地法第2条第1項)とされ、「耕作の目的に供される土地」とは、現に耕作されている土地のほか休耕地・不耕作地も含まれるとされている。

(ロ)「耕作の目的に供される土地」に該当するか否かの判断について

(1)登記簿(登記事項証明書)地目ではなく現況地目で判断する(現況主義)

(2)家庭菜園は農地に該当しない

(ハ)田・畑について

農地は、「耕作の目的に供される土地」の地目を、田又は畑(以下農地という)として評価します。

評価基本通達33では、農地の価額は1枚の農地即ち耕作の単位となっている1区画の農地ごとに評価する旨定めています。

1枚の農地とは、必ずしも1筆の農地からなるものとは限らず、2筆以上の農地として利用されている場合もあります。

(ニ)評価上の農地の区分

1.純農地

2.中間農地

3.市街地周辺農地

4.市街地農地

(ホ)純農地(評価通36)

次に掲げる農地のうち、そのいずれかに該当するものをいう。ただし、市街地農地の範囲に該当する農地を除く。

(1)農用地区域内にある農地

(2)市街化調整区域内にある農地のうち、第1種農地又は甲種農地に該当するもの

(3)上記(1)及び(2)に該当する農地以外の農地のうち、第1種農地に該当するもの。ただし、近傍農地の売買実例価額、精通者意見価格等に照らし、第2種農地又は第3種農地に準ずる農地と認められるものを除く。

 

(ヘ)中間農地(評価通36-2)

次に掲げる農地のうち、そのいずれかに該当するものをいう。ただし市街地農地の範囲に該当する農地を除く。

(1)第2種農地に該当するもの

(2)上記(1)に該当する農地以外の農地のうち、近傍農地の売買実例価額、精通者意見価格等に照らし、第2種農地に準ずる農地と認められるもの

 

(ト)市街地周辺農地(評価通36-3)

次に掲げる農地のうち、そのいずれかに該当するものをいう。ただし、市街地農地の範囲に該当する農地を除く。

(1)第3種農地に該当するもの

(2)上記(1)に該当する農地以外の農地のうち、近傍農地の売買実例価額、精通者意見価格等に照らし、第3種農地に準ずる農地と認められるもの

 

(チ)市街地農地(評価通36-4)

下記に掲げる農地のうち、いずれかに該当するものをいう

(1)農地法第4条又は第5条に規定する転用許可を受けた農地

(2)市街化区域内にある農地

(3)農地法の規定によって、転用許可がいらない農地として都道府県知事の指定を受けた農地

(リ)役所等での調査

①所在等の確認

a.固定資産税納税通知書又は名寄帳

b.登記事項証明書(法務局)

c.公図(法務局)

d.地番図(市区村町役場)

e.地積測量図(法務局)

f.住宅地図

g.ブルーマップ(法務局)

h.都市計画地図(市区町村役場、HP)

i.路線価図等(HP)

j.航空写真(グーグル?)

k.道路珠別図(市区町村役場・建築指導課等)

~建築基準法上の道路の判定~

l.農用地の証明(市区町村役場の農業委員会、農政事務所へ純農地か農用地か否かを確認し、農用地証明の交付を受ける)

m.農業基本台帳の確認(市区町村役場の農業委員会=農業経営者の住所氏名・耕作地の筆別所在地、耕作面積等)

h.小作地証明(市区町村役場の農業委員会)

※家庭菜園か農地かの判断基準

関連ページ:相続税法上の時価鑑定(https://erea-office.com/appraisal/fair_valuation/)