一時使用目的の貸地として評価するのが相当とした事例

請求人の主張
本件土地は、 物所有目的で賃貸されており、なおかつ賃貸借契約期間は、会社が存続する期間とする旨の合意ができているから、契約期間は短期ではないので、貸宅地に該当する。
原処分庁の主張
貸宅地の評価は、借地借家法の適用のある宅地について認められるところ、 同法によって保護される建物に該当するか否かは、長期にわたって存続すべきものとして保護に価するか否かで判断されるべきである。
そして、本件土地上の建物は、解体容易な簡易な構造であるプレハブ倉庫であるから、 借地借家法で保護されるべき建物であるとは認められない。
また、本件土地の賃貸借契約書において、賃貸借の期間は2年間という短期と定められているから、当該プレハブ倉庫は永続的な土地定着性を予定したものではないと認められ、本件土地の賃貸借契約には借地借家法の適用はない。
以上から、本件土地は、借地借家法によって保護される借地権の目的となっている宅地であるとは認められないので、 本件土地を貸宅地として評価することはできない。
国税不服審判所の判断
本件の場合、①本件土地の賃貸借に関し、本件被相続人と法人の間で、権利金等の約定もなく、授受もないこと、②本件土地上の建物は未登記であり、借地権の第三者対抗要件を備えていないこと、③本件土地上の建物は、プレハブ倉庫用建物であり、その構造体はボルトによって緊結されたものであり、 容易に解体撤去が可能であること及び ④平成13 事業年度以降、原処分庁に提出された法人税の確定申告書添付の貸借対照表には本件土地に係る借地権は計上されていないこと等の各事実を総合勘案すれば、本件土地は一時使用目的の貸地として評価するのが相当であり、 借地借家法で保護される普通借地権が存在しているとはいえず、 評価基本通達25 に定める貸宅地として評価することは相当ではない。
なお、賃貸借の当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者はいつでも解約の申し入れをすることができ、その申し入れから1年の経過により契約は終了し得るものといえるから (民法第 617条第1項第1号)、本件土地の評価に当たっては、本件土地賃貸借契約の残存期間が5年以下のものであるとして、 評価基本通達86 の定めに基づき、賃借権割合を100分の5の2分の1に相当する割合として控除して算定するのが相当である。
関連法令
※評価基本通達 86
本件土地は、賃貸借契約の残存期間が5年以下であることから、評価基本通達86 《貸し 付けられている雑種地の評価≫ (1) の定めに基づき、地上権に準ずる権利として評価する のが相当と認められる賃借権割合である 100分の5の2分の1に相当する割合を賃借権割 合として控除して求めた。
(賃借権割合(注4)
58,189,950円 × (1 – 0.05 X1/2) = 56,735,201円
コメント
請求人は、本件土地は建物所有を目的に賃貸されたものであり、貸宅地として評価すべきであると主張する。
審判所は、①本体上地上の建物は未登記であること、②当該建物はプレハブ倉庫用建物であり、容易に解体撤去が可能であること、③本件土地の賃貸借において被相続人と法人との間で権利金等の授受がないこと等なので、本件土地は一時使用目的の貸地であり、評価基本通達 25 に定める貸宅ではないと審判所は、判定した。
貸宅地の評価は、自用地の価額から借地権の価額を控除して評価しますが、借地借家法(借地法)の適用をうける借地権は、建物所有を目的とした貸借権であると規定し、借地権者の地位を保護強化している。
本件における建物は、 解体容易なプレハブ倉庫であるので借地借家法(借地法)の保護を受けない建物に該当します。
本件土地の評価においてどういう建物であるか否かの判定は、土地の価額に大きな影響を与えるので、注意が必要です。









