借地上の建物の滅失と借地権の存続

2019年4月25日

借地上の建物が借地期間満了までわずかの時期に滅失し貸主が借主による再築に異議を述べた場合、更新時の正当事由判断にはどのような影響があるか
借地上の建物について(名古屋高判昭51・9・16判タ346・211)

判旨

建物滅失時に残存期間を超えて存続すべきものを再築する場合、あらかじめ貸主の承諾が必要である旨の特約に効力はない。

借主が借地期限まで残りわずかの時期に残存期間を超えて存続すべき建物を建築したとしても不法ではなく、建築時期等を考慮しても、借主の本件土地使用の必要性は貸主よりも高く、貸主の更新拒絶及び土地使用継続に対する異議に正当事由はない。

借主が仮処分を無視して建物を建築した点についても、借主が仮処分を受けるいわれはなかったのであるから、これを貸主に不利な事情とし、貸主の異議に正当事由を認めるのは相当ではない。

裁判所の判断

XがYの再築に異議を述べたことによって、旧借地法7条による更新は生ぜず、残存期間だけ借地権が存続することになり、借地期間の満了によって借地権は消滅するが、この場合、借主は用法違反にならない限り、建物を再築することができ、残存期間を超えるというだけでは、再築を禁じたり、工事を中止させたり、借地契約を解除することはできない。したがって、本件特約(「本件土地上の建物が火災その他の事由により滅失したため、さらに借地権の残存期間を超えて存続すべき建物を築造しようとするときは、借主は予め貸主の承諾を得ることを要する」)は、旧借地法7条に反する契約条件であり、旧借地法11条によりこれを定めなかったものとみなすべきである。Yが借地期限まで残りわずかの時期に残存期間を超えて存続すべき建物を建築したからといって、これを不法ということはできない。

そして、Yによるその事実を考慮しても、Yの本件土地使用の必要性(会社設立時たる昭和7年以来工場用地等で利用)は、Xのそれ(まだ具体的ではないものの、将来、勤務している会社を退職したら、本件土地を利用して生活の基礎にしたいというもの)に比して大なるものがあると認められるので、Xの更新拒絶及び本件土地の使用継続に対する異議には、正当事由がないものといわざるを得ない。また、Yが仮処分を無視して本件建物を建築したとの点についても、Yには仮処分を受けるいわれはなかったのであるから、同仮処分は違法であり、この点をYに不利な事情として、Xの異議に正当事由を認めることは相当ではない。

※借地上の建物をめぐる実務と事例(新日本法規出版より引用しました。)

 

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