埋蔵文化財と広大地評価の関係
下記の審判事例は、広大地と認められた市街地山林が埋蔵文化財包蔵地にも該当する場合、埋蔵文化財包蔵地の発掘調査費用を控除できるとした事例です。
本審判事例では、評価方法の具体的な算定方法を示しており、発掘調査費用の80% の控除が可能としました。
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審判事例(平成20 年9 月25日裁決)イ 本件各土地の評価方法本件各土地はいずれも市街地山林に該当するところ、本件○土地及び本件△土地は、(中略)広大地に該当する市街地山林と認められることから、評価基本通達49-2の定めにより、本件□土地は同通達49の定めにより、それぞれ評価することになる。 ロ 周知の埋蔵文化財包蔵地に該当することの考慮本件各土地は、いずれも周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するため、その考慮として控除すべき発掘調査費用について検討すると、P市教育委員会は、(中略)本件各土地を貝塚部分とそれ以外とに分けてその調査費用を積算し、貝塚部分が○㎡で○円、貝塚以外の部分が○㎡で○円と算定しており、これら金額は、P市教育委員会において発掘調査基準に基づいて本件各土地の状況に応じて積算されたもので、当審判所においても相当と認められる。 |
国税不服審判所は、本件各土地の相続税評価額を次のように算定しています。
相続税評価額:本件○土地 ○円
算定根拠:77,000円(A)×0.35(B)×○㎡(C)-○円(D)=○円
(A)本件○土地の正面路線価
(B)広大地補正率(注1)
(C)本件○土地の地積
(D)本件○土地に係る発掘調査費用(注2)
(注1)広大地補正率は地積が5,000㎡超えるため、下限である0.35を適用した。
(注2)発掘調査費用については、別表6のとおりである。
審判事例2 のポイントは、次の2点にあります。
①埋蔵文化財の発掘調査費用を控除すべきか否か。 ②市街地山林が広大地に該当するか否か。 |
埋蔵文化財の発掘調査費用については、教育委員会の聞き取りがとても大切です。その地域で埋蔵文化財が発掘されたという実績があれば、より詳細な調査が必要となるでしょう。その実績がなければ、費用の控除はできません。本件の場合、その地域で発掘された事例があるので、発掘調査費用は見積額の80%と示されました。5,000㎡以上の本件土地が広大地に該当すれば、控除率は65%となりますから、これはすごいことです。
関連ページ:地積規模の大きな宅地の評価(https://erea-office.com/appraisal/new_koudaichi/)