AI襲来 眠れぬサムライ!!

2019年4月26日

先日あるコンサルタントの方が海外に視察に赴いた国で見た事実はこうです。

・マイナンバーが稼働したエストニアという国では個人の税務申告が30秒から2分で終わってしまい、

エストニアの税理士さんの記帳代行の仕事がほぼすべてなくなってしまった。コンサルの仕事は残っているらしいです。

・我々不動産鑑定士は、路線価が公示価格の8割の水準になった段階で、不動産鑑定の依頼が激減していきました。

 

AI(人工知能)の進化で公認会計士や税理士など専門職が人の手を離れていく、

という記事がありましたので掲載します。

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(2017.3.15 日本経済新聞より)

データ分析の自動化が進む米国では過去10年間で会計士が数万人規模で減った。英オックスフォード大と野村総合研究所が調べた「10~20年後にAIやロボットで代替可能」という職業のなかには会計士と弁理士、行政書士、税理士の4士業が含まれている。

東京・赤坂にオフィスを構える弁理士の秋山敦氏(64)も覚悟する。これまでは特許の調査や申請といった業務をこなしていれば、それなりに役割を果たすことができた。だが、「経営者と一緒になって知恵を絞るのが、AI時代を生き抜く弁理士の姿」と秋山氏は説く。いかに顧客企業が生み出す発明を企業競争力につなげるか。その力量が問われる。

今春には10人ほどの弁理士仲間と研修会を立ち上げ、これから必要になる知識やノウハウの取得を目指す。3年前にも取り組んだが、思いを共有する弁理士が少なく頓挫した。「今がラストチャンス」。秋山氏の言葉には悲壮感すら漂う。

税理士界も新たな道を模索する。「どれだけ顧客のことを考えられるかが求められている」。税理士法人チェスター(東京・中央)を経営する荒巻善宏氏(35)は語る。同法人は税務申告の大半を占める相続税相談に特化することで「昨年の依頼件数は前の年の1.5倍に増えた」(荒巻氏)。AI時代をにらめば、単純な手続き業務に見切りをつけるしかない。

新日本監査法人も動く。会計士のノウハウをAIに学ばせて監査の質を高める取り組みを始める。「これまで気付かなかった数字を見つけられるかもしれない」。新日本監査法人の平野氏はAIと協業する未来図を描く。

振り返ればサムライだって剣で相手を倒す戦国時代の武人から高潔な人格で民衆を率いた江戸時代の上杉鷹山のような名君へとその振る舞いを変えてきた。技術革新に揺さぶられながら生きる道を探す現代のサムライたち。士業も楽じゃない。