資産の低額譲受けに関する事例です

2019年7月9日

同族間たとえば親子・兄弟等のほか同族法人・個人間の不動産の売買において、価格は自由に決められる立場にありますので極端に安い価格で取引を行うケースがあります。

その事例が下記の事例です。

余りに極端な価格での取引は後に問題を生じることが多いので、不動産鑑定士による鑑定金額で取引するようにしましょう。

安心して取引が可能です。

請求人が父から売買契約により譲り受けた土地の対価は、当該土地の時価に比して著しく低い価額であると認められ、相続税法第7条の規定により贈与があったものとした事例(平成13年4月27日 裁決公開)

資産の低額譲受けについて

 

 相続税法第7条は、著しく低い価額で財産の譲渡を受けた場合においては、法律的には贈与といえないとしても、経済的には対価と時価との差額について実質的に贈与があったと同視することができるため、この経済的実質に着目して、課税負担の公平の見地からその差額について贈与があったものとみなして贈与税を課税する趣旨のものと解されるところ、請求人及び原処分庁の主張する時価額はいずれも採用できない。

そこで、当審判所において、公示価格を基に土地価格比準表に準じて地域要因及び個別的要因等の格差補正をして本件土地の時価額を算定したところ、その価額は45,661,363円と算定された。

そうすると、本件土地の時価と売買価額との差額は18,501,363円に達するものであることから、本件土地の売買価額は、相続税法第7条に規定する著しく低い価額の対価であると認めるのが相当である。

(平成13年4月27日裁決、裁決事例集№61 533頁)

関連ページ:相続税法上の時価鑑定(https://erea-office.com/appraisal/fair_valuation/)