賃料の増減額請求が認められるためには、相当期間の経過を要しないとした判例
家賃の値上げ等には一定の条件が必要ですが、賃料の増減額請求に、相当期間を要しないとした事例がありましたので掲載します。
【賃料の増減額請求が認められるためには、相当期間の経過を要しないとした判例】
最判平3・11・29(判時1443・52、判タ805・53)
建物の賃貸人が借家法7条1項の規定に基づいてした賃料の増額請求が認められるには、
建物の賃料が土地又は建物に対する公租公課その他の負担の増減、
土地又は建物の価格の高低、
比隣の建物の賃料に比較して不相当
となれば足りるものであって、
現行の賃料が定められたときから一定期間を経過しているか否かは、
賃料が不相当となったか否かを判断する一つの事情にすぎない。
したがって、現行の賃料が定められたときから一定の期間を経過していないことを理由として、その間に賃料が不相当となっているにもかかわらず、賃料の増額請求を否定することは、同条の趣旨に反する。
(出典:『借地借家紛争解決の手引』新日本法規出版)
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