中古自動車の販売展示場として使用する目的の土地賃貸借に借地法の適用がないとされた事例 (東京地判平7・7・26判タ912・184)
本件は、賃借人が、本件借地を中古自動車の展示場として使用し、その一画に事務所、整備工場を所有していたところ、賃貸人が、本件建物の収去、土地明渡しを求めた事例である。
裁判所は、借地人がその地上に建物を建造し、所有しようとする場合であっても、それが借地使用の主たる目的ではなく、その従たる目的にすぎないときは、建物所有の目的は認められないとし、
①本件土地の賃貸借契約の目的は中古自動車展示販売の用地とされ、契約上、すぐに取り壊せるプレハブ造りの簡易な事務所用の仮設建物の建築だけが認められること、
②賃料も一時貸しの地代相場によって決められ、敷金、権利金等の授受がなかったこと、また、
③賃借人が本件土地上に設置した本件建物等は展示販売用の事務所や整備工場等であるところ、これらはいずれも解体が容易な簡易な建物であること、
④本件等の敷地面積は本件建物等の敷地面積は本件土地の面積の極一部(約7.2%)を占めるにすぎないこと
などから、本件土地の賃貸借契約は、本件土地を中古自動車展示販売の用地として使用することを主たる目的として締結されたもので、建物所有は従たる目的にすぎないものというべきであるとして、借地法の適用を認めず、賃貸人による明渡し請求を認めた。
以上、内容は下記の書籍を引用しました。
「駐車場・資材置場・一時使用・使用賃借の契約実務」
(新日本法規出版刊)
※上記判決文の中での①~④の条件があるから建物所有を目的とする土地賃貸借契約ではないと判断しています。①~④の例示に比べて事案はどうかということを比較検討するにはとてもよい事例だと思います。
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