【判例】賃借人に対する背信行為
賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特別の事情について判例がありましたので掲載します。
【賃借人が、借地上の建物の建て替えに当たり、賃貸人から得た承諾とは異なる持分割合で新築建物を共有したことにつき、賃貸人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるとされた例】
最判平21・11・27(裁時1496・15、判時2066・45、判タ1315・79)
本件土地の賃借人である上告人Y1が、賃貸人である被上告人の承諾を得て本件土地上の旧建物を建て替えるに当たり、新築された本件建物につき、C及び上告人Y2の共有とすることを容認し、これに伴い本件土地を転貸したものであるところ、転借人らであるC及び上告人Y2は、上告人Y1の子及び妻であって、建て替えの前後を通じて借地上の建物において上告人Y1と同居しており、転貸によって本件土地の利用状況に変化が生じたわけではない上、……被上告人は、上告人Y1とCが各2分の1の持分を取得することを前提として合意した承諾料につき、これを増額することなく、上告人Y1、C及び上告人Y2の各持分を上記割合として建物を建て替えることを承諾し、上記の限度で無断転貸となる事実を知った後も当初はこれを本件解除の理由とはしなかったというのであって、被上告人において、上告人Y1が本件建物の持分10分の1を取得することにつき重大な関心を有していたとは解されない。そうすると、……転貸が上記の限度で被上告人に無断で行われたことにつき、賃貸人である被上告人に対する背信行為と認めるに足りない特段の事情があるというべきである。
借地借家解決の手引き(新日本法規出版より引用しました)
背信行為:〘名〙① 信義にそむくような行為。約束を裏切ったり、義務を果たさなかったりする言動。
引用元(https://kotobank.jp/word/%E8%83%8C%E4%BF%A1%E8%A1%8C%E7%82%BA-112858)
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