遺言書に花押は無効!
相続でもめないためにつくった自筆の遺言書が有効か否かで最高裁まで争いになった事案があります。
遺言書に押す印は、花押は無効だとする上告審判決です。
日本経済新聞(平成26年6月4日)の内容は下記の通りです。
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戦国武将らが使ったとされる手書きのサイン「花押」を記した遺言書が有効かどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(小貫芳信裁判長)は6月3日、「花押が押印の代わりとは認められない」として遺言書が無効と判断した。
自筆の遺言書が本人の意思で作られたことを担保するため、民法は署名と「印」の両方が必要と定めている。小貫裁判長は「花押で文章を完成させる慣行や意識はなく、押印と同じものとは認められない」と指摘。花押を認めた二審・福岡高裁那覇支部判決を破棄したうえ、相続に関する審理が尽くされていないとして高裁に差し戻した。
一審・那覇地裁判決は「花押は認印よりも偽造が難しい」として遺言書が有効と認め、二審も支持していた。
一、二審判決によると、琉球王国の高官を務めた一族の子孫にあたる男性(当時85)が2003年、印鑑の代わりに花押を書いた遺言書を残して亡くなり、息子同士が有効か否かを争っていた。
花押は現代でも政府の閣僚が閣議決定の書類に使うことがある。