不動産5社、マイナス金利で借金10兆円!!
日銀のマイナス金利政策によって、事業用資金が借りやすくなったため、不動産大手5社の借金は10兆円になったという新聞記事があったので掲載します。
借金は諸刃の剣で、大手とはいえ、不動産市場と無縁ではないはずですが、東京オリンピックを前に凶と出るか吉と出るか、腕の見せどころでしょうか。
日本経済新聞(2016.8.6付)によれば、下記の通りです。
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不動産大手5社の有利子負債総額学が10兆円に迫っている。日銀のマイナス金利政策導入で調達コストが下がり、借り入れを増やしているためだ。物件売却を急がなくても資金が回るため、販売用不動産も最大規模に積み上がっている。「将来の利益温存」との見方もできるが、不動産市況が悪化すれば資産の価値が下がって業績の足を引っ張るリスクもある。
大手5社の2016年4~6月期連結決算は5日出そろい、三菱地所など3社が最終増益となった。オフィス空室率の低下やマンションの売却益が増えた。
「好機を生かして開発を加速したい」(住友不動産)。不動産大手の強きを支えるのは、マイナス金利だ。5社の合計有利子負債は9兆8800億円強。日銀の異次元緩和が始まる前の13年3月末に比べ3割、1兆4000億円近く増えた。三菱地所が6月に期間40年の超長期債を年1%割れの利率で調達するなど、低コストの資金を大型の再開発や販売用不動産の仕入れに充てている。
不動産売却益に頼らなくても利益が出るようになり、5社がバランスシートに抱える販売用不動産も3兆円を超えた。三井不動産はこの3年で5割増え、6月末に1兆円を突破した。
大手の売り控えが強まった結果、16年1~6月の不動産取引額は2兆237億円(都市未来総合研究所集計)と、前年同期から2割も減った。供給が細り、価格が動きにくい状況が続いている。販売用不動産の急増はリスクと隣りあわせだ。国内景気が暗転すれば不動産市況も無縁ではいられない。ひとたび市況が悪化すれば、保有資産の価値が下がり、損失の火種となる可能性がある。
18年以降は都心部を中心にオフィスの供給が増える見通し。株式市場では東京・丸の内など優良物件を持つ三菱地所の株価が3月末比で9%安なのに対し、国内外で積極的に投資する三井不は23%安と軟調だ。「投資家はリスクの伴う投資よりも株主還元を求めている」と野村証券の福島大輔氏は指摘している。
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