路地状(旗竿)開発が合理的と認められる場合とは
路地状(旗竿)開発が合理的と認められる場合とは
評価対象地の最有効使用の使用方法が戸建住宅用地であり、評価対象地に開発道路(公共公益的施設用地)を設けることが一般的であれば広大地として評価されます。
ただし、路地状開発 (旗竿地)により戸建住宅分譲を行うことが経済的に最も合理的である開発の場合には、開発道路(公共公益的施設用地)を負担する必要がないため、評基通24-4(広大地の評価)は適用されません。
つまり、広大地として認められません。
端的にいえば、A図のような路地状部分を設けるよりも、B図のような開発道路を設けるのが一般的であるか否かということです(図 表2-2)。
ここでの路地状開発とは、路地状部分を有する宅地を組み合わせ、戸建住宅用地として開発することをいいます。
これは、 路地状部分を設ける土地が周囲に点在していれば、広大地の適用はないということです。
「路地状開発を行うことが合理的と認められる」か否かは、次の①~④を総合的に勘案して判断します。
①路地状部分を有する画地を設けることによって、評価対象地の存する地域における「標準的な宅地の地積」に分割できること。
②その開発が都市計画法、建築基準法、都道府県等の条例等の法令に反しないこと。
③容積率および建ぺい率の計算上有利であること。
④評価対象地の存する地域において路地状開発による戸建住宅の分譲が一般的に行われていること。
路地状開発が合理的か否かの判断には、下記の審判事例が参考になります。
この事例は、相続により土地940mlを取得した相続人が、 本件土地には道路を開設する必要があり、公共公益的施設用地の 負担が必要と認められるものに該当すると主張したものです。
しかし、 税務署は下記の理由により本件土地には道路を開設する必要はな く、公共公益的施設用地の負担の必要性はないと主張、国税不服 審判所も原処分を有効と判断し、広大地評価適用を否認しました。
審判事例
平成19年7月9日裁決
イ 本件土地は、その近隣における一般的な開発方法であ る路地状開発により、道路を開設せずに、5区画の戸建住宅 用地としての開発が可能である。
ロ (中略)本件土地に道路を開設すると同道路による潰れ地が生じ、分譲可能な地積が減ることになる。したがって、本件土地に道路を開設することに経済合理性があるとはいえない。
この審判事例では、路地状開発による一定の判断基準が示されま した。このように、周囲の土地の開発状況等は、広大地の判定に 大きく影響します。つまり、広大地判定では周囲の状況をよく分析する必要があるというわけです。
図表2-2 路地状開発の場合とかいはつ道路を開設する場合
A図
B図
関連ページ:地積規模の大きな宅地の評価(https://erea-office.com/appraisal/new_koudaichi/)