不動産市場に、賃貸住宅バブルの懸念!!
日本経済新聞(2016.8.18)の社説に、「バブルの懸念ぬぐえぬ賃貸住宅の増加」と題して記事が掲載されています。
同紙(2016.7.4)にも「アパート建築急増し、空室リスク懸念」という記事が出たばかりです。
賃貸住宅を建ててはいけませんとは言いませんが、賃貸住宅を建てる場合には、不動産賃貸市場の動向、人々の増減、ローンの額、返済期日等等を十二分に検討すべきかと思います。
以下に日本経済新聞(2016.8.18)の記事を掲載いたします。
バブルの懸念ぬぐえぬ賃貸住宅の増加
『賃貸住宅の建設が増えている。日銀のマイナス金利政策などで住宅が建てやすくなっているためだ。目先の景気にはプラスだろうが、首都圏を中心に空室も増えているだけにバブルの懸念はないのか心配な面もある。
国土交通省によると、昨年の貸家の着工戸数は前年よりも4.6%増えた。今年に入っても6月までの累計で前年同期を8.7%上回っている。好調な賃貸住宅が住宅投資を下支えしている。
賃貸住宅が増え始めたきっかけは2015年1月の相続税の増税だった。アパートのような住宅は賃借人の借地権と借家権が生じるため、現金や預金、更地の不動産を保有している場合に比べて相続税を課す際の評価額が下がる。
ここに着目し、節税対策として団塊世代などを中心にアパート経営に乗り出す人が増えている。
マイナス金利政策で住宅を建てる資金を手当てしやすくなっていることも一因だ。金融機関も一般的な住宅ローンに比べて貸出金利を高めにしやすいアパート建設向け融資に力を入れいてる。
一方で住宅需要が高まっているわけではない点は要注意だろう。すでに全国には820万戸の空き家があり、その半分強は賃貸用の住宅だ。首都圏を中心に空室率が一段と上昇している。
それでも新規物件が増えている背景には、サブリース(転貸)方式でのアパート建設があるのだろう。土地を保有する個人などが建てたアパートを、業者が長期間にわたって一括で借り上げる契約方式だ。一定期間、家賃収入を保証する場合が多い。
新築時には入居者を確保できたとしても、時間とともに空室は増える傾向がある。その結果、地主に約束していたはずの家賃収入を業者側が大幅に減額したり、契約を解除したりしてトラブルになる事例が、目立っている。
国交省は9月から制度を見直して、地主との契約時に将来の家賃水準などが変わる可能性がある点を「重要事項」として説明するよう、サブリースを手掛ける大手業者などに求める。トラブルを未然に防ぐために必要な措置だ。
周辺のほかの物件は空室が目立つのに、自分のアパートだけは大丈夫と考える方がおかしい。節税が目的だとしても、アパート経営には相応のリスクがあることを土地の保有者しっかりと自覚すべきだろう。』