駅徒歩5分の月極駐車場が広大地として認められたケース

2019年6月12日

相続発生時に、月極駐車場として利用されていた駅から徒歩5分の土地が広大地として認められた事例です(図表)。
駅近なのでマンション適地と判断される可能性がありましたが、調査したところ広大地適用が可能であることがわかりました。
そこで、当初申告で期限内申告をすることにしました。
その結果、広大地として認められました。

 

広大地に該当するとした事例の画像

❖物件の概要

面積:621.76㎡(間口:約40m、奥行:約19~24m)、宅地

地形:ほぼ台形状

接道:前面道路8m

用途地域:第2種住居地域(60%、200%)駅への距離:徒歩5分

周辺の利用状況:事業所・共同住宅・中小規模一般住宅・駐車場等が混在する地域

土地の利用状況:月極駐車場

 

❖考察

評価対象地周辺にはマンションがあり、戸建住宅の開発事例が少なかったものの、ごく近くにミニ開発事例(位置指定道路のある事例)が数多くありました。
そこで、当該地域は戸建住宅地域であると記載し、申告したところ、広大地として認められました。

マンション適地かどうかの判断は、次の基準が参考となります(土地評価理論研究会『特殊な画地と鑑定評価』清文社)。

イ 近隣地域または周辺の類似地域に現にマンションが建てられているし、また現在も建築工事中のものが多数ある場合、つまりマンション敷地としての利用に地域が移行しつつある状態で、しかもその移行の程度が進んでいる場合

ロ 現実のマンション建築状況はどうであれ、用途地域・建ぺい率・容積率や当該地方公共団体の開発規制等が厳しくなく、交通、教育、医療等の公的施設や商業地への接近性から判断しても、換言すれば、社会的・経済的・行政的見地から判断して、まさにマンション適地と認められる場合

上記のイ、ロはとても大事な基準です。イ、ロともに注意して「その地域」を検討してください。比較する対象が多くなればなるほど、多くのことが検討できます。それらがすべてO Kならば広大地として認められる可能性は高くなります。

広大地として認められたポイントはここにある!

①その地域はマンションよりも戸建住宅の建築事例が多く、戸建住宅地としての傾向が強いことをアピールできたこと。

関連ページ:地積規模の大きな宅地の評価(https://erea-office.com/appraisal/new_koudaichi/