本件土地の評価単位をどのように見るべきかが争われた事例

本件土地の評価単位をどのように見るべきかが争われた事例

(東裁(諸)平21第78号・平成21年12月14日裁決)

駐車場

本件土地の概要

本件土地の明細は下記の通りです。

本件土地が属する用途地域は準工業地域であり,建ぺい率60%,容積率200%である。

原処分庁の主張

本件土地は利用の単位となっている地目ごとに評価するべきであるから,本件-1土地を1区画の宅地として,本件-2土地,本件-3土地,本件-5土地および本件-6土地は,それぞれを一団の雑種地として評価単位とするのが原則である。

ただし,本件-2土地および本件-5土地については,これらをそれぞれ1区画の雑種地として評価すると無道路地となるから,本件-2土地,本件-5土地および本件-6土地を併せて一団の雑種地として評価単位とすることが合理的である。

請求人らの主張

本件土地は,自宅敷地と駐車場敷地であるところ,これらの敷地は登記および固定資産税の課税地目共に宅地であり,全体が自用の宅地である。

仮に駐車場として使用している部分の地目が雑種地であるとしても,本件-1土地は自宅敷地として,本件-6,土地は自己の駐車場として,本件-2土地,本件-3土地および本件-5土地は一体の駐車場として使用しているから,一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合に当たる。

したがって,本件土地は,本件-4土地を除いた全体を一体評価し,広大地補正を適用すべきである。

審判所の判断

評価通達7《土地の評価上の区分》は,土地の価額は原則として課税時期の現況によって判定した地目別に評価するものとし,地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則に準じて行う旨定めている。

また,一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には,その一団の土地はそのうちの主たる地目からなるものとして,その一団の土地ごとに評価するものとする旨定めている。

そして,不動産登記事務取扱手続準則は,宅地とは建物の敷地およびその維持もしくは効用を果たすために必要な土地をいい,雑種地とは,他のいずれの地目にも該当しない土地をいう旨定めている。

評価通達7-2《評価単位》は,土地の価額は評価単位ごとに評価する旨定めている。

そして,宅地は利用の単位となっている1画地の宅地を評価単位とし,雑種地は、利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地をいう)を評価単位とする旨定めている。

請求人らの提出資料,原処分関係資料および当審判所の調査の結果によれば,次の事実が認められる。

本件土地のうち,本件-1土地と本件-2土地との境にはフェンス,本件-1土地と本件-5土地との境にはフェンス,本件-1土地と本件-3土地との境には簡易なフェンス,本件-3土地と本件-5土地との境には簡易なフェンス,本件-5土地と本件-6土地との境には低層ブロック塀および金網フェンスが設置されていた。

本件土地の本件相続開始日における現況は,次のとおりである。

本件-1土地は,被相続人および請求人の自宅の敷地,庭および家庭菜園の用に供されていた。本件-2土地,本件-3土地,本件-5土地および本件-6土地は,月極駐車場(本件駐車場)の用に供されていた。

本件-4土地は,アスファルトで舗装された私道(本件私道)であり,専ら特定の者(本件駐車場利用者および本件私道の北側に隣接する家屋の入居者等)の通行の用に供されていた。

被相続人は,本件駐車場の管理を一括して同一の不動産会社に委託していた。前掲の表の通り,原処分庁の本件-1土地ないし本件-6土地の地積には算定誤りがある。

本件-1土地は,全体として被相続人および請求人の自宅の敷地,庭および家庭菜園の用に供されている宅地であるから,全体を「利用の単位となっている1画地の宅地」として一つの評価単位と見るのが相当である。

本件駐車場は,建物の敷地等の用に供される宅地とはいえず,その他に該当する地目はないから雑種地に当たり,同一の不動産会社が一括して管理する月極駐車場という同一の目的に供されているから,全体を「利用の単位となっている一団の雑種地」として一つの評価単位とみるのが相当である。

そして,当審判所の調査結果によれば,本件土地の周辺地域における宅地の標準的使用方法は戸建て住宅用地であり,当該地域の標準的な地積は100㎡程度であると認められるところ,本件-1土地および本件駐車場の地積は、上記のとおり,それぞれ1,789.09㎡および888.34㎡であるから,その地域の標準的な宅地の地積に比して著しく広大であるというべきである。

本件-1土地は,請求人の自宅の敷地の用に供されているが,使用されていない部分が多いから宅地として有効利用されているとはいえず,本件駐車場も開発を了していないから,いずれも開発行為を要する土地であるところ,上記の事実によれば,本件-1土地および本件駐車場について,経済的に最も合理的な開発行為は地積100㎡程度の戸建て分譲住宅用地としての開発であり,この場合,公共公益的施設用地の負担が必要であると認められるから,それぞれが広大地に当たると解するべきである。

これに対し,原処分庁は,本件駐車場はフェンス等で区分されているから一体評価することはできないと主張する。しかし,本件駐車場は,不特定多数の者の通行の用に供される道路や河川等で物理的に分離されているものではなく,一括して同一の不動産会社に管理委託され,月極駐車場として同一の利用目的に供されているのであるから,原処分庁の主張は採用できない。

他方,請求人らは,本件-1土地と本件駐車場は,いずれも登記および固定資産税の課税地目共に宅地であり,仮に本件駐車場の地目が雑種地であるとしても,2以上の地目の土地を一体として利用している場合に当たることから,本件-1土地と本件駐車場を一団の土地として一つの評価単位とすべきである旨主張する。しかし,評価通達に定める地目の判定は,登記地目等ではなく,課税時期の現況により判断すべきものであり,また本件-1土地と本件駐車場は,上記のとおり,明確に区分され利用されているから,請求人らの主張も採用できない。

コメント

いくつかの地目が混在して土地の評価単位の決め方については現況コメントを踏まえ,注意深く評価単位を区分する必要がある。評価通達7《土地の評価上の区分》,土地の価額は原則として課税時期の現況によって判定した地目別に評価するものとし,地目の判定は不動産登記事務取扱手続準則に準じて行うと定めている。

また,一体として利用されている一団の土地が2以上の地目からなる場合には,その一団の土地は,そのうちの主たる地目からなるものとして,その一団の土地ごとに評価するものとする旨定めている。

評価通達7-2《評価単位》は,土地の価額は評価単位ごとに評価する旨定めていて、宅地は利用の単位となっている1画地の宅地を評価単位とし,雑種地は、利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地をいう)を評価単位とする旨定めている。

評価通達7-2《評価単位》は,土地の価額は評価単位ごとに評価する旨定めていて,宅地は利用の単位となっている1画地の宅地を評価単位とし,雑種地は利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地をいう)を評価単位とする旨定めている。現場での利用状況を把握し,同一の目的に供されているものは1つにまとめて1つの評価単位となるのか否かを検討することが必要である。