法定相続分の預金、最高裁払い戻しを認めず!!

2019年4月26日

電卓これまでの判例では、預貯金は遺産分割の対象外だったので、

相続人全員の合意がなくても自身の相続分を払い戻すことができたが、

昨年の最高裁の大法廷決定は過去の判例を変更し、預貯金が遺産分割の対象になると判断し、

今回最高裁は大法廷決定の流れに沿った判断をした、という記事(2017.4.7日本経済新聞)がありましたので、掲載します。

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遺産相続をめぐって親族間の争いがある場合に、法定相続分の預金を払い戻せるかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は4月6日、預金の払い戻しを認めない判断を示した。

遺産相続では、法定相続人となる子や配偶者らで合意できない場合、家庭に「遺産分割」の調停や審判を申し立てることができる。これまでの判例では預貯金が「遺産分割」の対象外だったため、相続人全員の合意がなくても自身の相続分を払い戻すことが認められていた。

昨年12月の大法廷決定は過去の判例を変更。預貯金が「遺産分割」の対象になると判断。預貯金だけを自動的に法定相続分に応じて分けることはできないとした。今回の判決は、大法廷決定の流れに沿った判断となった。

訴えを起こしたのは、2010年に母を亡くした男性。母が信用金庫に残した役3300万円のうち法定相続分(2分の1)の払い戻しを求めた。

二審・大阪高裁判決は預金や定期預金計約1600万円の払い戻しを認めた。同小法廷は二審判決を破棄した。

(2017.4.7日本経済新聞)