広大地の審判事例について その1

2019年5月10日

 

1広大地についてよくご質問をいただいておりますので、ブログに数回に分けて取り上げてみたいと思います。

今回は市街化区域内の農地が広大地に該当するか否かを問う事例です。

〔市街化区域内に存する隣接する2筆の土地について〕

下記の3点の適用可否等が争われた裁決事例(平成14年2月25日裁決)です。

1.農地の評価単位

2.正面路線の判定

3.広大地評価

イ.概要

・市街化区域内の農地

・A農地 2,495平方メートル,

B農地 32.93平方メートル

・二方路に面し、一方(A道路)は、1.64平方メートルの農業用水路を介して幅員約3mの市道に接面(間口31m)

・他方(B道路)は、約24mの国道に面するも間口は11.5m

・A路線価 56,000円 B路線価 140,000円

ロ.国税不服審判事例所の判断

A農地の評価単位について

1.請求人(納税者)は、A農地及びB農地を別区画の農地として評価すべきである旨、主張する。

ところで、評価基本通達33では、農地の価額は1枚の農地(工作の単位となっている1区画の農地をいう)ごとに評価する旨定めており、1枚の農地とは、必ずしも1筆の農地からなるものとは限らず、2筆以上の農地からなる場合もあり、また1筆の農地が2枚以上の農地として利用されている場合もあると解される。

これを本件についてみるとA農地及びB農地は、本件相続開始日において、いずれも田として耕作されており、A農地とB農地の間には、農道等による区分はなされていない。

そうすると本件農地については、耕作の単位を同じくする1区画の農地、すなわち1枚の農地であると認めるのが相当であり、この点に関する請求人の主張には、理由がない。

請求人は、AとBに分けて評価すべきであると主張しましたが、A,B共に農地として利用しているし、農道の区別もないので一体評価すべしと言う事になりました。

次回はその続きです。

次回も宜しくお願い申し上げます。

 

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