マンション適地等の要件

2019年4月26日

マンション適地等(マンション用地に適している土地)の要件について、審判事例(平24・7・4裁決(東裁(諸)平24-6)裁決事例集88)では下記のように述べています。

請求人は、本件土地が財産評価基本通達24-4≪広大地の評価≫(本件通達)の適用がないとされる、いわゆるマンション適地等に当たるか否かについて、

①本件土地の周辺地域の状況は戸建住宅とマンションが混在している地域であること、
②専門家が本件土地は、マンションの敷地よりも戸建住宅の敷地に適しているとの意見を述べていること

などからすると、本件土地はマンション適地等に該当しない旨主張する。

しかしながら、マンション適地等であると認められる場合とは、本件通達に定める「その地域」におけるマンション等の建築の状況、用途地域・建ぺい率、容積率や地方公共団体の開発規制、また、交通、教育、医療等の公的施設や商業地への接近性等から判断して、評価対象地をマンション等の敷地とすることが経済的に最も合理的であると認められる場合を指すと解するのが相当であるところ、

①本件土地の存する「その地域」は、マンション等の建築に係る規制が厳しくない地域であること、
②本件土地は公共施設及び商業施設との接近性に優れていること、
③「その地域」には複数のマンションが存すること、
④「その地域」において、本件相続開始前10年間における500㎡以上の土地に係る建物の建築事例は2件あり、いずれもマンションの建築事例であること、
⑤本件相続開始日後、現に本件土地上にマンションが建築されていることからすると、本件土地は明らかにマンション適地等に該当するものと認められる。(裁決事例集88)

『ケース・スタディ相続財産評価マニュアル』(新日本法規)より転記

※とてもコンパクトにマンション適地等のポイントを明記されているので、転記しました。「その地域」の分析はとても大切です。第三者としての目をもって冷静に分析することは、とても大切だと思います。