広大地評価判定と路地状開発

2019年6月12日

路知情開発された宅地広大地評価が可能か否かによって、不動産の評価額がほぼ半額に減額される広大地評価。

先日ご相談をお受けした案件が広大地になるか否かを検討してほしいという事でした。

机上評価(無料)しました結果、対象地の周辺に路地状敷地が数か所ありましたので、

広大地は難しいです、と税理士の先生にお伝えしました。

数日後、その先生から相続人の方が、ある不動産鑑定士にお声をかけたら、

広大地が可能だということなので、困っている、ということでしたので、

なぜ広大地が難しいのかを文章と地図などでご説明することにしました。

その文章が下記です。

 

 

***

1)広大地評価が可能か否かについて

広大地には該当しません

2)その理由

広大地とは、「その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地(開発道路)の負担が必要と認められるもの」をいいます。
ところが本件土地の周辺において路地状開発による戸建住宅の分譲が行われているところが数か所あり、本件土地の周辺の地域は路地状開発による戸建住宅が一般的に行われていると判断されます。したがって、本件土地を開発しようとした場合、公共公益的施設用地(開発道路)を設けなくても路地状開発により戸建分譲を行うことが経済的に最も合理性のある開発に当たると認めるのが相当と税務署に判断される可能性があるため、広大地には該当しません。

 

路地状開発された宅地

 

上記の公図の場所に、数多くの路地状敷地があれば、その地域は路地状開発が一般的に行われていると判断されてもしかたがないと思います。

それでも、広大地が可能だとして広大地の意見書を作成し、申告したとしても、すぐに税務署に広大地否認と言われることはないでしょう。

早くて半年、又は数年後に否認でしょう。

広大地の意見書を書いた不動産鑑定士は、仮に後日広大地が否認された場合、お客様への多大なご迷惑をかけてしまいます。ご迷惑をかけず広大地が否認されない意見書を作成するにはどうしたらいいか、いつも考えている昨今です。

そのためには、広大地判定のレベルアップを日々行う必要性はあると自負するこの頃です。

広大地判定のレベルアップは国税不服審判所から出ている広大地の裁決事例が一番いいと思います。この裁決事例は、宝の山です。

ここには創意・工夫する手立てがいっぱいつまっています。

これに気付いたのは、平成21年にある税理士の先生のセミナーに出席し広大地の裁決事例の大切さを知りました。

それが縁で毎月私は「相続レター」に広大地の裁決事例を簡単にまとめて、お客様にメール発信し、現在で90号になります。

とてもありがたいと感謝しております。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

関連ページ:地積規模の大きな宅地の評価(https://erea-office.com/appraisal/new_koudaichi/)