道路幅員による容積率の制限と広大地評価

2019年4月26日

広大地に該当するか否かの判断において原則として指定容積率が300%以上の地域に所在する土地は、広大地に該当しないとされています。

その理由として、「指定容積率が300%以上の地域にある場合には、戸建て住宅の敷地用地として利用するよりも中高層の集合住宅の敷地用地として利用する方が最有効使用と判断される場合が多いことから、原則として「中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているもの」に該当するとしています。

ただし、道路の幅員が12m未満の場合、建築基準法第52条第2項により、指定容積率が規制を受けるため、基準容積率が指定容積率を下回り、容積率が300%を切ることにより、評価対象地が存する地域の指定容積率が300%以上であっても、基準容積率が300%を下回るため、「中高層集合住宅等の敷地用地に適しているものに該当せず、広大地として評価される場合があります

例)建築基準法第52条第2項より

前面道路の幅員(例えば4m)

4m × 4/10 = 160

と指定容積率300%との比較で小さい方を採用し、基準容積率は160%となります。

(参考)

 指定容積率のほか、前面道路(前面道路が2以上あるときは、その幅員の最大のもの)の幅員が12m未満である建築物の容積率は、当該前面道路の幅員のメートルの数値に下表の数値を乗じたもの以下でなければならないとされています(建築基準法第52条第2項)。

建築物のある地域 前面道路の幅員のメートル数値に乗ずべき数値
第1種・第2種低層住居専用地域 4/10
第1種・第2種中高層住居専用地域
第1種・第2種住居地域、準住居地域
(高層住居誘導地区内の建築物であってその住宅の用途に供する部分の床面積の合計がその延べ面積の3分の2以上であるものを除く)
4/10(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内の建築物にあっては6/10)
その他の地域 6/10(特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内の建築物にあっては4/10又は8/10のうち特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの)

【関係法令通達】

 財産評価基本通達 24-4
建築基準法第52条

※国税庁HP参照。(https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hyoka/18/04.htm)